ごあいさつ

ごあいさつ

死因明かし「人の尊厳を守る」

和歌山県立医科大学法医学講座
教授 近藤稔和

ごあいさつ

法医学は法治国家でのみ存在することができる医学分野であり、その実務は解剖はもちろんのこと、生体の検査においても必要不可欠な分野である。

当教室では年間200から250体の法医解剖を通して、和歌山県の死因究明の担っている。また、単に解剖だけではなく、常にその質向上のために最先端の研究に着目するリサーチマインドを忘れずに活動している。

また、教室には常にMD-PhDコースの学生や法医学に興味はある学生が出入りし、研究や実務に参加して研究と法医実務を体験しながら勉強する環境を提供することで、法医学の将来を担う人材の育成にも努めています。

法医学とは、法医病理学、法医中毒学及び法医血清遺伝学を3本柱とする社会医学のひとつであり、医学と法学の接点にあたる学際的諸問題について、その科学的解決を 目指す、法治国家の維持のために必要不可欠な実践的医学です。したがって、法医学が携わる事柄は、その時代の社会情勢を反映すると言われており、自殺の増加、子供の虐待、孤独死、大量災害はそれらの一部といえます。

法医実務の主体は、法医解剖であることは言うまでもない。例えば、皮膚の損傷がどのように生じたのかを解析したり、アルコールや薬物を分析することによって、死因を明らかにします。この死因を明らかにすることは「死因究明」と呼ばれ、死因究明は亡くなった人の基本的人権を擁護するためにすなわち、法医解剖は、人がうける最後の医(療)行為である。

さらに、法医学における実務は解剖だけではなく、生体の損傷検査も重要な実務の一つで、例えば近年増加する子供の虐待事例においては、直接子供たちの損傷の状況を検査することで重要な役割を果たしている。

略歴

略歴:

1992.3  金沢大学医学部医学科卒業

1992.4  金沢大学大学院医学研究科(社会医学系法医学専攻)入学

1993.5  金沢大学大学院医学研究科(社会医学系法医学専攻)退学

1993.6  金沢大学医学部法医学講座助手

1994.10    ベルリン自由大学短期留学法医学研究所(客員研究員)

1995.6  金沢大学医学部法医学講座講師

1996.3   文部省在外研究員としてミュンヘン大学法医学研究所(客員研究員)

2001.4     金沢大学大学院医学系研究科法社会環境医学分野助教授

2003.4   和歌山県立医科大学法医学講座教授


学位:

1997.7   医学博士


免許:

死体解剖資格、日本法医学会法医認定医、日本法医学会法医指導医

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